茶師としての想い

心ほどける至福の一杯を
お届けするために

四代目 市川桃子

Q.茶師を目指した、きっかけは、
なんですか?

初めて茶師を意識したきっかけは、高校生の頃に参加した、静岡県のJA主催、静岡県立大学で開かれた産学連携の一般の方向けのイベント『ミニ闘茶会』です。

当時は、実家がお茶屋という理由で学校の先生から代表に推薦していただいたのですが、それまでお茶について真剣に学んだことはなく、正直とても戸惑いました。

ですが、出場するからには全力を尽くしたいと思い、社長であり茶師でもある父に頼み、お茶を見極める技術を一から教えてもらうことにしました。

そのおかげで、出場した大会では優勝という思いがけない結果をいただくことができました。

その中でも、私にとって本当に心に残っているのは、その結果以上に、地元のお茶農家の方々が「すごいね」「頑張ったね」と温かい声をかけてくださったことです。

作り手の方に認めていただけた、その瞬間に「私も本気でお茶の世界で生きていきたい」と、自分の進むべき道がはっきりと見えた気がしました。

Q.現在、茶師として心がけていることを教えてください。

現在は普段の業務に加え、茶審査技術競技大会に出場するために特訓を続けています。

私にとって大会に出場することには、3つの大きな意味があります。

一つは、静岡県初の女性の茶審査技術段位取得者として、まだまだ男性社会である茶業界で、女性が活躍する場をつくること、そして私たちのような若い世代がお茶の業界を活性化させていきたいと思っています。

もう一つは、私が結果を出すことで、家業である「市川園」のお茶に対するお客様からの信頼を、より確かなものにしていきたいという想いです。

ですが何よりも大きいのは、日々素晴らしいお茶を作ってくださる農家さんたちへの恩返しです。

最高の茶葉があってこそ私たちの技術が活かされるので、私が培った経験でその価値を証明し、恩返しをしたいと思っています。

最近、周囲の方々から少しずつ「茶師」として見ていただけるようになり、それが素直に嬉しく、もっと頑張ろうという大きな励みになっています。社長が築き上げてきたものがいかに大きいかは、周りの方々の社長への眼差しを見ていても感じますので、「後を継ぐ者として恥ずかしくないように」という気持ちで、これからも真摯に取り組んでいきたいです。

Q.今後目指していきたい茶師の姿を教えてください。

社長は、私の憧れであり、目標。

茶葉の仕入れに始まり、お茶を仕上げ、そして最終的な品質を「締める」までの一連の流れは、一朝一夕には決して真似のできない、まさに職人技だと感じます。

その全てができるようになるまでには、本当に長い年月がかかるのだと、そばにいて日々痛感しています。

今はまだ遠い道のりですが、いつかは私も、社長のように全ての工程に責任を持ち、「市川園のお茶は、この味で行こう」と、自信を持って言えるような存在になりたいと思っています。

「全国茶審査技術競技大会」
(別名闘茶会)とは

全国の茶山地や消費地の13団体から選抜された計140人の茶師が、茶の産地・品種、茶期(一番茶・二番茶・三番茶)などの茶葉を見たり飲んだりして鑑定力を競う、いわば茶師のオリンピックです。お茶どころの静岡県では、イベントの際に、競技にならって子どもたちを対象に「ミニ闘茶会」が行われています。